浅川駅 立川・八王子の異界駅

 あらすじ -立川駅から異界駅に迷い込む

2014年9月25日の5ちゃんねるへの投稿

体験者は大月に用事があり、家を出て立川駅に向かう。駅に着いたのが5時15分頃。便意を催して駅構内のトイレに入る。


トイレの個室で頭が「ぐわあん」となるような感覚があったが、さして気に留めずにトイレを出る。駅のホームで電車を待っていると、アナウンスが普段よりも古くさい声のように感じられる。


しばらくすると、全面オレンジ色の大月行きの電車が来る。後日、調べるとこの電車はもう走っていないタイプのものであった。大月行きの電車はいつも古めかしいデザインなので、体験者はいつもの調子で乗ってしまう。不思議なことに向かいに止まっている青梅線の電車も古くさく、行き先が黒地に赤で「氷川」と書かれていた(氷川駅は改称され、現在は奥多摩駅となっている)。そしてホームには人が全くおらず、音一つしないほど静かであった。


電車に乗り、座席に腰掛けて家から持ってきた冷やし月見バーガーでも食おうかとすると、ベルのけたたましいジリジリジリジリジリという音が響く。何事だと思いあたりを見回す暇もなく、「乗り降りは、お早くねがいます…ドアーが閉まります…」という声がしたかと思うとガチャンと扉が閉まる。昨日の月見バーガーを取り出し、頬張っていると電車は日野、豊田と順調に進んで行く。


そこでふと、iPhoneを取り出し見るとネットワーク名が「DION」となっている(普段はauと表示される)。LINEを開いて友達にメッセージを送ったがエラーマークが出て送信できない。電車は八王子、西八王子と進んでいき、また車内放送が入る。

こもった声で「次は浅川…浅川…京王線を御利用のお客様はこちらで…」と聞こえる。扉の上にある画面にも「次は浅川」と書いてある。

GoogleMapを開いたが、現在地を示す水色のドットが出てこない。地図も読み込みが終わらず表示されない。諦めてふと外に目を向けると、雲一つ無い青空が広がっており、しかも気持ち悪いほどに青い。    


昔の中央線(朝日新聞記事より)


浅川駅に到着

電車は浅川駅に着く。ホームは屋根付きで、周囲には何もない。人の気配も全く感じず、どこか遠くから小鳥のさえずりが聞こえる。

ぽかーんとして何もできずにいると、何の音もせずに電車は発車。そして素っ頓狂に明るい声でアナウンスがあり「次は!!相模湖!!相模湖です!!」と明るい女性の声であった。

とりあえず知ってる駅名が出てきたので、この電車を降りようとして体験者は扉の前に立つ。

電車が駅に着いて降りると同時に、またぐわんという感覚に頭を揺さぶられ、思わず立ち眩む。

駅に降りるとようやく人が見えて、朝からイチャイチャしているリア充が数名、60代らしき登山者の団体がいた。

そして、さっきまで乗っていた電車は発車音すらなく走り去って行った。


浅川駅は高尾駅の旧名

浅川駅は過去に実際に存在した駅で、昭和36(1961)年に高尾駅と名前が変更されました。 つまりJR高尾駅が浅川駅であった頃、1960年以前の電車に体験者は乗ったということになります。

駅名の由来となった浅川村は八王子に合併されて消滅したため、高尾駅に改称されました。

また体験者が目撃した古い青梅線の行き先は氷川駅となっていました。氷川駅は1971年に改称され現在は奥多摩駅となっています。

話の舞台である立川ですが、5ちゃんねるの不可解な体験スレ-エニグマで、現代とは思えないほどの未来都市のような街並みだったと記憶している人もいます。

立川駅は時に異界やパラレルワールドに繋がるのかも知れません。


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